毎年買ってしまうもの

あなたには毎年買ってしまう物がありますか？

私にとってそれに当たるるものは「無花果」です。
馴染みが無い人には読みにくいのかな？
イチジクを漢字で「無花果」と書くのは、果実の中に花が隠れて咲いているように見えるためです。
外からは花が見えないため、この名前が付けられました。

事の始まりは、母の実家で立派な無花果を育てていて、実がなったらおやつ代わりによく食べてたいたというのを幼少期に聞き、見た事も食べた事もない私は食べたくて仕方なくなりました。
そして、自分も一度食べてみたいとせがんだのが始まりでした。
一度食べると幼い私の口にも合っていて、とても美味しく感じ、1番好きな果物は無花果と答えるほどになりました。
それは実家を出て独り暮らしになっても続き、毎年スーパーで見かけるたびに手にとってしまうのです。
この嗜好を人に話すとなかなか理解して貰えないのですが。

それでも無花果の食べられる期間は非常に短いです。
次来たときに買おうと思ったらもう買えなかった、なんていうことも多いです。
そして、非常にデリケートな果物で、買ってもすぐに食べないと日持ちもしません。
嗚呼、なんて儚い果物なんでしょう。

思い立ったら今すぐ、を体現しているような果物です。
何事にもここぞという時のタイミングがあるのです。
人生を通して、人にも物にも学びを得つつ、学びに感謝しつつ日々生きております。

そんな無花果が豊かになっていた母の実家は浪江で、実は今では墓も家も津波で流されて更地になりました。

今しかできない事を今やれる時にやる。
それも学びとして心の中で呼応するのです。

良い事も悪い事も全含めて、私の中で血となり肉となり私を作り上げていると感じます。
この世に意味のない事なんて無いのですから。

悲しみよりも感謝を