オリジナル怪談
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祖母の家には、夜中に廊下で鈴の音が聞こえることがあった。
「聞こえても絶対に戸を開けるな」
子どもの頃から何度もそう言われていた。
ある夏の夜、ちりん、ちりん、と枕元のすぐ近くで音がした。怖かったが、気になって障子をほんの少しだけ開けてしまった。
暗い廊下の奥に、白い着物の女の後ろ姿が立っている。
女は振り向かなかった。ただ、手に持った小さな鈴をゆっくり揺らしている。
ちりん。
その瞬間、背後の布団から、眠っているはずの祖母の声が聞こえた。
「開けちゃったのかい」
振り返ると、布団は空だった。
そして今夜も、誰もいない廊下から、あの鈴の音が少しずつ近づいてくる。
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