オリジナル怪談
オフライン
りんこ
今でも覚えてる話なんだけど・・・
私の友達にNって子がいて、Nはいつも言葉遣いも丁寧で、とてもいい子なんだぁ。
ある時ふと、「Nと話すとすごく優しい気持ちになる」って褒めたの。
そしたら急に暗い顔して、「昔、友達にひどいことしてね。それからは優しくしようって決めてるの」
そう言ってある話をしてくれた。
Nには幼なじみのKって女の子がいて、小さい頃はふたりで遊んでたの。
Kはいつも「ずっとともだちだよね?」って聞く子で、
当時のNはいつも「もちろん!Kがいちばん!」って返してた。
でも成長して環境が変わるにつれて、Nにはたくさんの友だちができて
Kは人見知りが激しい子で友達がいつもでもNしかいなかった。
次第にKはどんどんNにベッタリになって、Nが他の子と遊ぶのに嫉妬するようになった。
「NにはKがいればいい!ずっと友達なのはKだけなんだから!」とよく言っていた。
Nはそんな日々に疲れてしまった。
中3にあがって、KはもちろんNと同じ学校に行くのだと言っていたけど
Nはもう嫌だった。だから、ギリギリで進路先を変えてKと距離をおいた。
卒業の日、久しぶりに会ったKはおとなしかった。
卒業式が終わってポツリと「ずっと、友達だよね?」と聞いてきた。
Nは反射的に「もちろん」と返した。
それをきいたKは嬉しそうに小さな瓶を手渡した。
「これ、私のお気に入り。カモミールのアロマ。離れて寂しくなったらこのアロマを使って。」
そうやって笑うKからは、ほのかにカモミールの香りがした。
Nは罪悪感でいっぱいになりながらその瓶を引き出しの奥底にしまい込んだ。
進学してからNの毎日は充実したものだった。
水泳部に入って大会で記録を出したり、新しい友人や初めての彼氏に囲まれて過ごしていた。
Kのことなんて考えもしなかった。
そんなある日、Kからメッセージが来た。
「こんど、会えないかな?」
Nは無視してしまった。今の生活をKに壊されたくなかったから。
夏休みに彼氏と海へ遊びに行った。
ふたりで仲良く海水浴していた。
すると、不意に強烈なカモミールの香りがして、足が急に引きずり込まれる感覚がした。
急いで沖へ上がりたいのに、足がなにかに引っ張られてるようであがっていけない。
段々と意識が朦朧とする中で水底を見たときに戦慄した。
そこには青白い顔した女の子がいて、、、その子はKに似ていた。
それを最後に意識を手放し、気付いたら病院のベッドだったそう。
彼氏が急いで溺れたNを引き上げてくれたのだ。
「いきなり溺れるからびっくりしたよ、なにがあった?」
そう聞かれたが、あまりの恐ろしさに声も出なかった。
退院して数日後、Kの家を訪ねてみた。
すると、Kは入学して夏休みが始まる前に亡くなっていたことが分かった。
ひどいいじめにあっていたそうで、自ら、、、だったそうだ。
Kから送られたメッセージの日付はKが亡くなる1週間まえだった。
Nは恐ろしくなってすぐに家に帰った。
部屋を開けるとまた、あの強烈な香りがしていた。
机の上には卒業式の日に引き出しにしまい込んだアロマの瓶が置かれていた。
中身はすっかりこぼれており、瓶の底には
「ずっと友達って言ったのに」
そう刻まれていたらしい。
みんなのコメント
- コメントを投稿された時点で、利用規約に同意したものとみなします。
- 投稿後は編集・削除できません。
- 記事が削除された場合、投稿したコメントも削除されます。ご了承ください。
- 不適切なコメントは削除されます。