悪質タックル問題について記事の紹介と感想

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悪質タックル問題について記事の紹介と感想

タイトルに対して写真は飾りです。はー買っちまった……。
しばらく我慢してたからついダイソーのクラフトコーナーを前に手が止まりませんでした。
レジンしてやるぜ……待ってろよ有機溶剤とブラックライトふふふふふ……

さて、表題の方に行きます。
『内田前監督が自らを『無能』としてまで守りたかったものとは?  透けて見える日本スポーツ界の危うさ』(著:小林信也氏)
https://victorysportsnews.com/articles/6758/original

こちらの記事にて、今回の日大アメフト部悪質タックル問題についての考察が為されています。
そこそこボリュームのある記事ですができれば興味のある方にはリンク先で原文を見ていただきたいのでざっくり言いますと、アメフト部だけではなく日大の首脳陣のあり方について、スポーツ人脈をメインとした支配の元が昭和43〜44年の日大闘争にまで遡るであろうことを提示した上で、現在の日本スポーツのあり方についてまで視野を広げて論じたものです。
私はこの著者の「この事件の目的は相手選手を再起不能にすることではなく、宮川選手を内田前監督・井上前コーチの人脈に取り込むことだった」という考察は、今までこの件について考えてきた中で一番すっきり理解できたものでしたので、ご紹介させていただいた次第です。


さあ、ここからおそらく本題からもずれまくる私の感想戦に突入します。
もしこの考察が真実に近かった場合、仮に宮川選手がこの件について沈黙を貫くなり、自分が悪かったと一人で罪を被ったりした場合、高確率で監督やコーチから何らかの補填があったはずです。
要するに、まさしく協会追放などでアメフト選手としての道を断たれたとしても、コネによって彼らの息のかかったポストに就職できたということです。ある意味では裏社会の代理出頭とかと同じですよね、上層部の身代わりとして法的処罰を受ける代わりに、その組織の中では後の優遇が約束されるという。
しかしそれは逆に言えば「また同じようなことを将来も、もしかしたら一生させられるかもしれない」ということでもあります。
監督らが用意した厚遇は、宮川選手にとっては恐怖の対象でしかなかったわけです。

本来真面目な人間にそういうことをやらせて、本人の罪悪感をも道具として操ることは、確かに可能です。
しかしそれは、その真面目さが「反抗心」となるまで強ければ逆効果にすぎません。今回はまさにそのパターンで、宮川選手の真面目さと善良さは、命令に善悪を考えず諾々と従うことを拒否し、叛逆としてあの記者会見が起きたわけです。

ちなみに井上前コーチも、一度不祥事を起こした上でそれを庇われて内田前監督の口利きで就職し、アメフト部コーチに至っています。
そう考えると彼の不祥事すらも、もしかしたら仕込まれたものかもしれませんがまぁそれはそれ。彼は長いものに巻かれたわけです。

長いものに巻かれること自体の善悪はここでは論じません。
極端に言えば「自分の価値観を曲げても属する組織や社会の価値観に従う」ということは、行ったことのない人間の方が少ないでしょう。
ちなみに私はそれが超苦手すぎて社会に適応できません誰か助けてください。具体的には生活費と薬代がほしいです。
今アレルギー薬フルコースなんです!!あとむずむず脚症候群もあって薬飲まないと夜寝られないんです。脚が勝手に動いて。
英語でいうとレストレス・レッグスだそうです。休みなき脚。むっちゃかっこいい。


いやまぁ持病の話は置いといて。
私はこの人脈による政治っていうのは、世襲制に近いと思うんですよ。血縁によるものではないですが、後継者を選ぶのに『一族』以外の意志が介入しないという意味で。
で、歴史において世襲制の政権が滅びるときというのは、そのトップに暗君を戴いたときが多いわけです。少なくとも滅亡のきっかけには、非人道的な行いがあったかどうかはともかく、君主の失政や失策が存在しています。内政であることも、外交であることもありますが。
それならば名君、少なくとも暗愚ではない君主を立てるには?
それはもう、前の君主が優秀な後継者を立てるしかないです。
世襲政権の長期化というのは、基本的には優秀な人材を排出し続け、トップに立て続けることで成立します。

ぶっちゃけトップは子供だけ作ってれば政権なんとかなる、レベルの組織を作り上げた徳川幕府っていう例外もありますが。
あそこは実質的に政治してるのは老中とかの合議制ですからねぇ。

ともあれ人脈政治にも共通点として、後継者に「その政治に適してかつ優秀な人物」を選び続けなければいけないという宿命があります。
血縁から必ず選ばなければいけないという縛りが発生しない分、世襲制より選択肢は広がりますが、逆に言うと「家庭での教育」という価値観を共有していない人物から後継者を選ぶ必要も存在します。

宮川選手は、おそらく優秀な人材であると思います。彼の記者会見を見る限り、彼は思考することも、そしてその場で適切なことを話すこと、答えて構わない質問かを取捨選択すること、答えない場合にはどのように返答できないことを伝えるかという話す側の技術も、かなり秀でているように思いました。
弁護士にはやらない方がいいと助言されたそうですが、自分の意志によって顔と名前を出しての記者会見を敢行したという決断力や勇気も高い水準であると思います。

能力は高いです。けれど、それが監督やコーチの意向に添えたか?答えはノーでしょう。
まさしくその決断力や勇気を支えているのは、確固とした彼自身の価値観です。今回傷害という形になってしまったのも明らかに精神的に追い込まれた具合が尋常じゃなかったからだろうし、そういう意味で悪意に慣れてないとこもありますよね。

いくら優秀であってもその人脈の「やり方」に馴染めないのであれば、その人材を後継者にするのは間違っています。
それこそ絶対王政の王様にいきなり超リベラル民主主義者とかつけたら、代替わりの瞬間に王政廃止を宣言しかねないじゃないですか。

もちろん監督やコーチのやり方、またそれを含めた日大の体質を肯定するつもりや、支持するつもりは私にはありません。
ただ「人を見る目がないなら人脈政治なんてしてんじゃねーよ素直に民主政っとけや」と思うわけです。
政治を大衆の手に委ねる利点は、バランス感覚が分散されることですしね。
特に大学とは割と特異な、他の社会とは切り離されやすい特性を持っています。それが政治的・経済的、または世論的な圧力などから学問の独立性を守ることにつながればいいのですが、それが別の利権につながった結果、今回のようないびつな事件が起きるならば、もっと素直な方法を取っておけばいいじゃん?と思う次第です。
もしくは利権握るならそれはそれで、ちゃんと後継者選んで治外法権を作り上げるか、ですけどね。
どっちにも失敗してダメージ負ってりゃ世話ないなって感じです。

ま、無論大学において権力争いや利権の奪い合いが発生すると、その余波で被害を受けるのは研究機関・教育機関としての大学組織なわけで、結局は現場がまともに回らなくなって我慢が限界超えたらひっくり返されると思います。日本人無駄にそういうとこ我慢強いですがもっとざくざくひっくり返していいと思います。
利権争いなんてチンパンジーやらでもやってますけど、文字を使って学問してるのは今のところ人間だけなので、レア価値がつく行動を握ってるのは研究・教育現場の側なんですからもっと積極的に戦っていくのがいいなって思いますよ!

ちなみにチンパンジーは今の生物学分類上では人間と最も近い種族です。ヒト科からチンパンジー亜科とヒト亜科に分かれますからね。
そして私はそろそろちゃんとマキャベリ先生の君主論を読み直そうと思います。さすがに中学生で読んだときはよくわからなかったんですよね。
今ならもっとマキャベ☆リズムできるかもしれない。

それではまた!

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